鳳凰三山
<<75歳記念登山>>


 暑中お見舞い申し上げます。皆様益々お元気のことと存じます。
 私の75周年記念登山として、鳳凰三山に登ってきました。
 私は若い頃(30歳まで)、仕事より、家庭より登山に一生懸命取り組んできま したが、鳳凰山には今まで登るチャンスが無かったので、今回の登山計画を立て て実行できました。若い頃は、「峠や高原の旅は、老後の楽しみに取っておこ う」といったものでした。若いときは、もっと厳しい山にチャレンジしたい、と いう意味でした。いま私も「老後」という歳になってきたと思いますが、鳳凰山 登山は意外に大変でした。

 7月19日午後、単身家をでて、上り線の超渋滞を尻目に、中央高速を走り、韮 崎ICで降りて、小武川を遡って夕方無事、御座石温泉に着きました。御座石温泉 は鉱泉で、標高1100m、近くには「ぎぼうし」「野かんぞう」「せんじゅが んぴ」などが咲き乱れる、携帯電話も通じない山の鄙びた温泉です。

 翌20日は、朝から苦しい登りが続き、燕頭山経由、標高2400mの鳳凰小屋 まで約6時間半の登りでした。一休みしてから、夕飯前に近くの地蔵岳まで往復 しました。そのあたりは可憐な「たかねびらんじ」「「やまほたるぶくろ」「と りかぶと」「ほうおうしゃじん」などが咲き乱れていました。日が暮れると、満 天の星空で、暑さ知らずの夜でした。

 7月21日は、四時半起床、気温16℃で素晴らしい晴天で、昨日東京は40℃ の猛暑だったと聞きましたが、現地は別天地でした。6時一寸過ぎに鳳凰小屋に 別れを告げて、一人2840mの観音岳に登り、遠く富士山から、目の前の北 岳、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳などの眺望を楽しみ、天井の 楽園のような、白い花崗岩の砂礫と這松の稜線を薬師岳2780mまで歩いてか ら、苦しい下りの連続の中道を下って青木温泉1100mまで下りました。そし て更に林道を歩いて夕方になってやっとのことで御座石温泉にもどりました。当 日歩いた時間は、休憩や食事時間を含めて約11時間でした。

 御座石温泉で汗を流してから、また一人で車で帰途につき、自宅には22時半に 着きました。二日間で歩いた歩数は4万歩、自宅までの運転時間は4時間 でした。お蔭朝まで事故や怪我もない登山でしたが、歳をとったので足が堅く なって、下りに大変苦労しましたが、お蔭様で無事下山できました。

<記:加島 清美---2004-07-23>