雪煙舞うモンテローザ


 スイスのツェルマット地区にきて、マッターホルンの次に写したい山がヨーロッパアルプス最高峰、モンテ・ローザ(Monte Rosa 4634m)だった。ツェルマットから山頂を見る事が出来ないが、スキー場の標高3000m近くに行くとやっと山頂が見えてくる。マッターホルンは男性的な力強さを感じさせるが、モンテ・ローザは女性的な美しさを感じさせる山だ。夕日に赤く染まる時に撮ろうと2日間トライしたがシャッターチャンスがなかった。上の写真は1月21日の正午頃、スネガ・スキー場最上部の標高3000m地点から撮った。逆光でシルエット状に見えるときを狙った。モンテ・ローザは強風のため雪煙が霧のように湧き、舞っていた。

 モンテ・ローザの山頂部はイタリアと国境を接しており、スイス国内の最高峰は右の写真(標高3000m地点で撮影)中央のドム(Dom 4545m)とも言われている。ドムはツェルマットから車で1時間のところにある4000m級の高峰に囲まれたリゾート、サースフェー(Saas-Fee)を代表する山である。写真手前の棚状に見えるところは青白く光る氷河である。標高4000m位の山の尾根にも分厚い氷河があるのでその成り立ちをガイドに聞くと、10万年前の氷河期に堆積した氷河が今も残っているということであった。
 規模と発想に驚いたのは標高3000m地点から標高3500mのミッテルアラリン(Mittelallalin)まで岩壁をくり貫き、高速地下ケーブルが開通していることだ。ミッテルアラリンには世界最高所の回転展望レストランがある。ここでの昼食は、ベストな場所の予約席に座り、4000m級の山々を360度のパノラマで楽しみながら、リッチな気分に浸ることが出来た。飲んで食べて1500円は安かった。

<記:大澤 敏夫---2004-02-22>