北アルプスの朝


 山で一番好きな時間帯は朝である。上の写真は日の出直後の5時すぎ、槍・穂高や、右の鷲羽岳など北アルプスの山々の山頂部が赤く染まり、思わず感動する瞬間である。
   
 一番すがすがしさを感ずる時間が7時頃。朝の斜光に照らされ、緑の草木が生き生きと見え、新鮮さを感じる。光の明暗が立体感を際立たせる。澄んだ空気を吸いながらこの景色の中を歩く時、これ以上の幸せはないと思う。

 午前11時頃になると下界の雲海が山頂まで上昇し展望が妨げられる。雲が動いて”槍ケ岳”の山頂が現れるのを待つ。スキャナーで画像化したため、雲の明暗がはっきりしない点は残念である。深田久弥が「槍を望む場所は方々にあるが、ここほど気品高く美しく見える場所は稀だろう」と著書「日本百名山」で述べているのは、恐らくこの撮影ポイント付近だろう。

 泊った水晶小屋は北アルプスで一番小さな山小屋である。昨夜は定員30名に対し24名が宿泊した。右の写真は小屋の全スタッフ3名と撮った。スタッフは20代の若者である。

 山小屋情報を追記しておく。今回泊った4ケ所の山小屋の食事は、ご飯・ミソ汁はお代わりOK。料理の品数が多く、梅干・ラッキョなどはどんと出されている。北アルプスの山小屋は日本一食事がよい。寝るスペースはいずれの小屋も1畳1人でまあまあであった。

<記:大澤 敏夫---2002-09-11>