中高年は若者より水必要…猛暑ウオーキング

 猛暑の中でウオーキングする時、熱中症を防ぐには中高年は若い世代に比べて1・7倍の水分補給が必要なことが、滋賀県立大学の寄本明教授(運動生理学)の調査でわかった。

 健康のため長い距離を歩くウオーキングは中高年を中心に約4000万人が取り組むと推定され、夏も多くの大会が開かれる。水分補給の重要性は指摘されてきたが、実際にどれだけ必要かは明確ではなかった。

 寄本教授は、年代の異なる約200人を対象に、様々な温度や湿度でウオーキングした時の発汗量を測定。熱中症予防には発汗量の8割の水分補給が必要として、1時間のウオーキングに求められる水分量を計算した。

 中高年(40〜79歳)は、若年(18〜39歳)に比べて汗をかきやすく、35度以上の猛暑では、男性は1060ミリ・リットル、女性は890ミリ・リットル飲むことが必要だった。若年の男性の620ミリ・リットル、女性の520ミリ・リットルに比べると、約1・7倍多かった。

 寄本教授は「中高年のウオーキングは、若者のジョギングに相当するような発汗をもたらす。目安の量を何回かに分け、こまめに補給してほしい。暑さが厳しい時は運動を中止することも必要」と呼びかけている。

読売新聞(2010-08-14)