もう一つのハイブリッド車
ハイブリッド車市場が盛り上がりを見せています。といっても,トヨタ自動車の「プリウス」やホンダの「インサイト」の話ではありません。電動ハイブリッド “自転車”が好調のようなのです。先日参加した新製品説明会では売り上げについて,三洋電機から「2009年4〜6月で前年同期比50%アップ」,ヤマハ発動機からは「1〜6月で同20%アップ」といった景気のよい話を伺いました。
ただ,価格がネックになる方もいるでしょう。電動ハイブリッド自転車は平均約10万円します。ただ,先述の幼児2人乗り同乗用自転車は,普通のものでも6万円以上します。それを考えると,少し上乗せして運転が楽な方を,と考えることもあるのではないでしょうか。もちろん,三洋電機の62万円の自転車や,パナソニックのチタン・フレームの自転車(価格は58万5000円から)に手が届く人は少なそうですが。 ここまで主婦,ビジネス・パーソンをターゲットにした商品を紹介してきましたが,もう一つ大きな市場があります。それは,中高生です。私も学生時代そうでしたが,彼らは毎日のように自転車に乗ります。この世代には,デザイン性がより重要になってきます。“カッコいい”や“カワイイ”ではありません。“普通”の自転車として見られることが大事なのです。なかなか想像しにくいですが,あるメーカーの技術者の方によると,電動ハイブリッド自転車に乗っていると目立つため,イジメの原因になることがあるようなのです。普通の自転車に見えるようにどうデザインするか,メーカーの腕の見せ所です。 「自転車は左側通行」――。 最後に当たり前のことを言ってしまいましたが,自転車を乗る上で非常に大事なことです。自転車ツーキニストという言葉の発案者である疋田智氏が自身の著書や講演でも訴えていますが,左側通行の徹底だけで事故はかなり減らせます。自転車と自動車の出会い頭の衝突の抑止には特に効果があります。電動ハイブリッド自転車は安全まではアシストしてくれませんので,ご注意を。 nikkeibp.co.jp(2009-08-05) |