首都高・阪神除き高速無料化 民主公約、来年度から実施

 民主党は16日、衆院選のマニフェスト(政権公約)に掲げる高速道路の無料化について、首都高速や阪神高速など交通渋滞が激しくなる路線を除き、政権に就けば来年度から実施する方針を固めた。利用量の少ない地方から始め、需要の状況を見極めながら対象を広げていく。

 原案では「一部の着手」にとどめる方向だったが、完全実施を求める議員らが巻き返した結果、「原則完全実施」で決着した。ガソリン税などの暫定税率の即時撤廃とともに、特に地方の自動車ユーザーの期待が大きい政策を重視する姿勢を打ち出す。

 無料化は、麻生内閣が休日にETC搭載車に限って実施した地方部の「上限千円」の路線を先行させる。北海道や九州など、交通量の少ない地方の高速道路から優先して実施するほか、同党が無料化の象徴として訴えてきた「東京湾アクアライン」も、来年度実施の対象に含まれそうだ。

 民主党は15日の党「次の内閣」の議論を踏まえ、「渋滞対策のため一部有料を残す」とした当初の表現は削除。首都高速・阪神高速は除外する、と記すことにした。

 東名や名神など主要高速道路の無料化は、首都高などと同様に大渋滞の引き金になりかねないため慎重に判断。料金の割引から着手するなど無料化した場合の需要を予測しながら、割引率を徐々に拡大して影響を検証。混乱を避けるめどをつけて実施する。

 完全実施による経済効果は3年間で2兆円、国内総生産(GDP)を0.41%押し上げると試算。一方、無料化に必要な財源は1.5兆円程度で、公約では来年度から始める子ども手当など「目玉政策」の財源枠として7兆円程度を見込んでいる。政権交代後の予算編成では財源の確保が焦点になりそうだ。

 無料化をめぐる具体的な路線の選択は、政権交代後に国土交通相が判断する。無料化した後の各高速道路会社は、業務分野ごとに民間会社に再編し、職員の再就職にも「十分に配慮する」としている。(松田京平)

asahi.com(2009-07-16)