ごみ箱で水害を抑制!?
埼玉・二瀬ダム管理所が5000円の雨水貯留施設を提案

 埼玉県秩父市の二瀬ダム管理所が、市販のごみ箱を使った手作りの雨水貯留施設を提案している。このような施設が多くの一般家庭に設置されれば、雨水の活用や水害の抑制につながるとして、ホームページで製作方法を紹介している。

 市販のプラスチック製のごみ箱に取水口と排水口を設け、貯水槽として使うのが特徴。既設の雨どいの一部を取り去り、そこに貯水槽を入れ込む形で設置する。必要な材料はプラスチック製のごみ箱と90度のエルボーパイプだけ。




 貯水槽に設けた取水口と排水口を、エルボーパイプを介してそれぞれ雨どいとつなぐ。雨水は取水口から貯水槽に導水されて槽内にたまり、満水を越える水位になると余剰水だけが排水口から雨どいに流れ出す仕組みだ。

 製作も簡単だ。まず、雨どいと貯水槽の位置を確認して既設の雨どいの一部をカットする。次に、貯水槽(ごみ箱)のふたに取水口となる穴を、貯水槽の側面上部には排水口となる穴をそれぞれ開ける。そして、雨どいを取水口と排水口にそれぞれ接続する。最後に、水漏れしないように接合部をコーキングする。




 貯水量を増やしたいときは貯水槽を増設し、貯水槽同士の下部をパイプでつなぐ。

 製作にかかる時間は1人で作業しても約1時間、材料費は70リットルサイズの貯水槽を二つ連結した場合で5000円程度という。

 同管理所では、事務所の屋上に設置して雨水の活用を始めている。ためた水は屋上植栽の水やりや災害時の代替用水源として利用することを考えているが、水道水の節約効果や同施設の普及による水害の抑制効果も期待できるとし、一般家庭などでの活用を勧めている。 <<奥野 慶四郎=フリーライター(日経コンストラクション)>>

nikkeibp.co.jp(2008-09-19)