(国税電子申告・納税システム)の導入体験

 新年も半月が経ち確定申告の季節になりました。
 何でも新しいものに手を出す習性があり、e−Taxを導入しましたが大変でした。まだ導入されていなかったら参考にしてください。

 所管の税務署からe−Tax『電子申告をネットで「らくらく」はじめよう』という案内が郵送されてきました。昨年も来ましたが、ICカードリーダライタに5,000円近くお金がかかることと、添付資料は郵送だということで止めました。ところが今回は5,000円の税額控除があり、添付書類も提出不要という誘いに乗って導入することにしました。

 e−Taxを使う前に、事前準備があります。送られてきたマニュアルには次のように書いてありました。

1.電子証明書の取得等が必要になります。
 ・住所地の市区町村の窓口で電子証明書の住民基本台帳カード(ICカード)を取得します。
 ・ICカードリーダライタを家電量販店等で購入します。
2.開始届出書を提出して利用者識別番号等を取得してください。
 ・開始届出書は、e−Taxホームページからオンラインで提出できます。
3・初期登録
 ・初期登録が必要になります。初期登録に当たっての詳しい説明はe−Taxホームページの「初期登録はこちら」をご覧ください。


 説明に従って、まずICカードリーダライタを購入しました。シャープのRW4040で税込み2,980円でした。
<<追記-1>>
RW4040はWindowsXPのみの対応で、Vistaになったときは再度ダウンロードしなければなりませんが、Vista対応機種に比べると1,000ちょっと割安です。
<<追記-2>>
機種によってはe−Taxに適合しないものがあるので要注意です。

 次に電子証明書の取得が必要です。早速市役所に行って電子証明書を取ろうと思ったら、それには住民基本台帳カード(ICカード)が必要で、結局お金を合計1,000円とられ、手続きに30分も時間がかかりました。
<<追記-3>>
電子証明書の取得には時間がかかります。

 よし、これで後は簡単だとマニュアルに従って、パソコンに向かい開始届出書を提出して利用者識別番号等を取得することにしました。
 画面の[開始届出はこちら]⇒[オンラインで提出]に従ってクリックして進みましたが、その先の説明が無く、説明文が多岐に渡りどうもよく分かりません。それで、所轄の税務署に電話で相談したところ、そこにあるパソコンがネットに繋がってなく、こちらの操作が再現できないので解決できませんでした。それで、e−Taxヘルプデスクに電話していろいろ操作してようやく利用者識別番号を取得できました。
<<追記-4>>
最初からe−Taxヘルプデスクを利用した方がいいようです。

 次に初期登録をしようとパソコンで[初期登録はこちら]をクリックして進みましたが、やはりその先の操作が複雑で途中で画面が進まなくなり、また、e−Taxヘルプデスクに聞いたところ、Javaというソフトがあらかじめインストールされていないと駄目だということが分かり、そのソフトをダウンロードしてなんとか初期登録が完了しました。
<<追記-5>>
事前準備を始める前にJavaをインストールする必要があります。

 結局事前準備に2日間かかりました。電話も2時間ぐらい使いましたので相当請求がくるのではないでしょうか。電話の応対に出た人も、操作がややこしいことを認め、電話相談が多いと言っていました。

 これから本番の「確定申告書作成コーナー」で確定申告をパソコンでやりますが、こちらもいろいろ難しい操作があるのではないかと心配です。
 もっとパンフレットの説明を丁寧にしてパソコンの操作も簡単にしないと、悪い評判が広がって多大な費用をかけたe−Taxが普及しないのではないでしょうか。
『電子申告をネットで「らくらく」はじめよう』なんて宣伝するのは止めてほしいですね!

 ちなみに、e−Tax導入のメリットは下記のように書いてあります。
   ○ 最高5,000円の税額控除
   ○ 添付書類が提出不要
   ○ 還付金がスピーディー

 最高5,000円の税額控除をいう甘い誘いに乗ってしまいましたが、よく考えてみると税率が10%ですから戻ってくるお金は500円ですから、3,500の持ち出しです。
 でも国の業務の効率向上に役立つのですから、国民として協力すべきだと思っていますので、e−Taxを利用できる環境が整ったことは喜んでいます。

<<参考情報-1>>
“所得税の電子申告、書類送付不要に・利用率の向上狙う”・・・nikkei.co.jp情報---ここをクリック。

<<参考情報-2>>
“e−Tax”のホームページ---ここをクリック。

山永 順一(2008-01-19)