2004年以降「ワンクリック詐欺」
の相談が止まらない
---国民生活センター

 「2004年以降,リンクや画像をクリックしただけで,いきなり料金を請求する手口(いわゆる,ワンクリック詐欺[注])に関する相談や報告が寄せられ続けている。『登録しました』といった画面が表示されても,慌てて料金を支払ったり,相手に連絡したりしてはいけない」---。独立行政法人 国民生活センター 相談調査部の吉田有美子氏は9月5日,ITproの取材に対して,注意を呼びかけた。

[注] 国民生活センターでは,リンクや画像などをクリックしただけで料金を請求する手口は「クリックしただけで,いきなり料金請求する手口」として,「ワンクリック不正請求」や「ワンクリック詐欺」とは表現していないが,本稿ではワンクリック詐欺と記述する。

 国民生活センターでは,2004年12月に,ワンクリック詐欺に関する最初の注意喚起を行なっている。それ以前から,同センターには相談や報告が寄せられ続けている(具体的な件数については,相談や報告を「クリックしただけで,いきなり料金請求する手口」では分類していないため,不明であるという)

 例えば,「『サンプル画像は無料』と表記されているのに,画像をクリックしたら『契約成立』と表示されたが,どうすればよいか」や「『18歳以上ですか』といった年齢確認のページで『OK』を押したら,登録されたので料金を支払えとの請求画面が表示された」といった相談や報告が寄せられているという。

 こういったケースについては,そもそも契約が成立していないと考えられるので「『料金を支払わずに様子を見る。相手(業者)には連絡しない』といった回答をしている」(吉田氏)。連絡すると,こちらの個人情報を知らせることになるからだ。心配な場合には,最寄りの消費生活センターや国民生活センターに相談することを勧めている。

 トラブルに巻き込まれないためには,怪しいサイトへアクセスしないことが第一。料金が発生しそうなサイトでは,「最初に『有料』なのか『無料』なのか」「利用規約はあるのか」などを必ず確認するよう国民生活センターでは呼びかけている。

 有料サイトを自分の意思で利用する場合も,クリックは慎重に行なうべきであると吉田氏は忠告する。「『はい』や『いいえ』のボタンをクリックする際には,契約行為をしているという認識を持って,不用意なクリックはしないよう注意してほしい」(吉田氏)。自分が利用したサイト名やURL,利用規約の内容などを記録しておくことも重要であるという。(勝村 幸博=ITpro)

<<追記>>(こまった時はこちらへ)
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itpro.nikkeibp.co.jp(2006-09-05)