フィッシング詐欺に防御ソフト
銀行やカード会社が提供<

 金融機関などを装って電子メールを送り、偽装したホームページ(HP)上で暗証番号などを聞き出して金銭をだまし取る「フィッシング詐欺」の被害を防ぐため、クレジットカード会社や銀行が防御ソフトの無料提供を始めた。カード利用者らはソフトをダウンロードすれば、偽のHPかどうかを瞬時に判別できる。企業には、顧客の被害が増えればネット取引などに悪影響が出るという危機感が高まっており、ソフトの導入が広がりそうだ。

 防御ソフトの提供を始めたのは、UFJカードと東京スター銀行。クレディセゾンも今月中に、クレジットカード最大手のジェーシービー(JCB)などカード会社2社も近く導入する予定だ。

 フィッシング詐欺の一般的な手口は、偽装メールにHPのアドレスを添付し、カード利用者らを本物そっくりのHPに誘導。名前やカード番号、暗証番号などを入力させ、偽造カードをつくって現金を引き出す。

 防御ソフトは、導入企業と関係ないHPを開いたとき、画面上に告知が出る。システム会社「ネットムーブ」が韓国企業と共同開発した。

 フィッシング詐欺は数年前から米国で広がり、日本では昨年12月に初めて被害が確認された。UFJカードも今年2月、同社の顧客8人が計約150万円の現金を引き出されたと発表し、被害は同社が負担した。

 今年3月には、みずほ銀行やUFJ銀行の顧客に、両行を装った偽のメールが大量送信された。企業の関心の高まりを受け、別のソフト開発会社も先月末から防御ソフトの販売を始めている。

asahi com.情報(2005-04-09)