花粉症対策は万全ですか?

 花粉症とは、花粉により、主に鼻の粘膜や目の粘膜に起こるI型アレルギー疾患で、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「目のかゆみ」が4大症状です。原因となる花粉には、春はスギ、ヒノキ、マツ、カバノキ、ブナ、夏はイネ、秋はヨモギ、ブタクサなどがあります。

 中でもスギ花粉症は、戦前はほとんどみられなかったまれな病気でしたが、現在では、人口の10%以上がスギ花粉症に悩んでいるともいわれています(ファクトシート参照)。最近は、幼児でも花粉症を発症するケースが増えており、子供への花粉症対策も課題になっています。

 スギ花粉症の原因は、空気中を飛ぶ花粉ですので、飛散時期には、鼻や目の粘膜にできるだけ花粉が触れないようにすることが最も大切です。ここでは、日常生活で花粉を避けるためのチェックポイントを挙げてみます。











 スギ花粉症の人は、既に体の中にスギ花粉に対する抗体(IgE抗体)が存在しているため、飛散量などにより程度の差はありますが、毎年、スギ花粉が飛ぶ2月から4月にかけて症状が起こることが予想されます。

 特に今シーズンは、昨年の10〜20倍、例年に比べても2〜3倍に相当する大量のスギやヒノキの花粉が飛ぶことが予測されています。

 飛散開始日は、最も早く花粉が飛び始める関東・近畿・四国の南部では、2月10日頃と予測されています。だからといって、「まだ1カ月も先」と安心していてはいけません。というのも、飛散開始日の時点では、既に花粉症の症状がでていることが多いからです。

 既に今シーズンは、昨年の10月頃から少なからぬ量の花粉飛散が観測されている地域もあります。花粉症の経験がある人は、今年こそ、1)花粉をできるだけ遠ざける、2)早めに医療機関を受診する――の2つの対策を徹底して心がける必要がありそうです。

 1)の花粉症グッズとしては、花粉を通さない遮蔽性の高いマスク(ピックアップ1参照)やメガネ・ゴーグル、鼻への花粉の付着を防ぐ鼻クリーム、花粉を洗い落とす鼻洗いグッズ、衣服などに花粉が付着しにくくするスプレー――などがあります。

 また、毎年のようにスギ花粉症に悩まされている人は、本格的な飛散シーズンが始まる前に、医療機関を受診して予防薬を使い始めておくと、発症時期を遅らせたり、飛散ピーク時の症状を軽くすることができます。

 ほかに、医薬品ほどの切れ味はありませんが、体質や体調によっては症状を緩和できるサプリメントも多数、商品化されています(ピックアップ2、ピックアップ3参照)。自分の生活スタイル、体調や体質に合うグッズやサプリメントを選んで、今シーズンを乗りきりましょう。(瀬川 博子=健康サイト編集)

nikkeibp.jp健康(2005-01-12)