悪質な「利用した覚えのない請求」が横行

 利用した覚えがない架空の、有料アダルト番組の利用料、ツーショットダイヤル、ダイヤルQ2と称する情報料、債権などを請求する文書が、電子メール、はがき、封書、電報で届いたが不安である、どうしたらよいかという相談が、全国の消費生活センターへ短期間に大量に寄せられています。請求書には「入金がない場合には自宅、勤務先へ回収に出向く」など、不安を感じる文言も書かれています。
 苦情は現在も寄せられており、いまだに減少する気配はありません。国民生活センターの「消費者トラブルメール箱」への情報提供をはじめ、一般からの相談電話にも苦情が寄せられています。また、国民生活センターにさえ電子メールで督促状が届く始末です。(1回目:平成14年11月13日、2回目:平成15年6月4日、3回目:平成15年9月21日)

 数年前から、このような悪質な手口は繰り返されており、再発防止策の網の目をくぐって、新たな手口が次々に出てきています。例えば、これまで請求書には送金先として銀行口座名が明記されていましたが、金融機関の対処が厳しくなると、今度は現金書留での送金、電話で送金先を知らせるなどの方法が考え出されました。公的な機関に似た名称、弁護士・法律事務所をかたった手口もあります。
 国民生活センターでは、こうした架空請求に対して次のように対処するようアドバイスします。

(1)利用していなければ払わない
 まったく根拠のない架空請求が横行しています。これらは、何らかの名簿を入手した悪質事業者が、その名簿に基づき、アトランダムに根拠のない請求書を大量に送ったものと思われます。
 請求書には「回収員が自宅へ出向く」「勤務先を調査」「給料の差押え」「強制執行」「信用情報機関に登録」など不安をあおるような脅し文句が書いてあることもあり、請求書を送りつけられた人の中には、関わりたくなくて振り込んでしまったり、あるいは過去に自分が使った別事業者の請求と勘違いしたり、家族が使ったと思いこんだりして、支払ってしまう人もいるでしょう。こういった、勘違いや関わりになりたくない気持ちなどに付け込む手口です。
 こういった架空請求に対して消費者ができる対策は、支払わずに放置し、脅し文句にひるまないようにしましょう。
(2)最寄りの消費生活センターへ相談してみる
 請求された内容について不明な点があったり、不安を持った場合には、相手に連絡・料金を支払う前に、まず消費生活センターに相談しましょう。同じ文面の請求書が多くの人に届いているなどの架空請求の情報やアドバイスが得られます。連絡先はこちらです。
(3)これ以上、電話番号などの個人的な情報は知らせない  郵送の場合は、請求書が実際に届いているので、事業者は名前と住所は知っていることになります。また、電子メールの場合では事業者はメールアドレスを知っていることになります。新たに、電話番号などの個人的な情報を知られてしまったら、今度は電話などの別の手段で請求してくることが予想されます。個人的な情報を知られることは避けて下さい。
(4)証拠は保管
 今後何らかのアクションが業者からあった時のために、請求のはがき、封書、電子メールは保管しておく方がいいでしょう。
(5)警察へ届け出を
 根拠のない悪質な取り立ての場合は、警察に届けておきましょう。

■何度もメールで架空請求が届くような場合は・・・
ご利用のプロバイダーの迷惑メールに関する情報を確認したり、携帯電話会社の「迷惑メール撃退サービス」を利用してブロックしましょう。

国民生活センター(2004-09-17)