IP電話

 最近よく聞くIP電話は、音声をパケットと言う小さなデータに分割し、インターネット回線で送受信する仕組みで、“インターネット電話”と呼ばれている。IPとは、インターネット・プロトコルの略で、インターネット回線の通信規格。これは、従来の音声をそのまま電話回線で送る一般固定電話と大きく違う点です。

 IP電話の最大のメリットは、長距離料金の安さです[例:Yahoo!BBフォンは日本全国・米国本土一律 7.5円/3分]。従来の電話は、ユーザごとに電話回線が割り当てられていた。これに対し、常時接続ブロードバンドインターネット料金定額を活用するIP電話は、各地の通信拠点をインターネットで結び、多くの人が1つの通信回線を利用することで、利用効率を高め、低コスト運営が可能。従って、通信距離に関係なく料金が一定額に出来る。また、同一のISP(インターネット接続事業者)会員同士の通話も無料(ISPに関係無く、すべてのIP電話間が無料なものもある)。
 昨年までIP電話は、固定電話の様な電話番号が無く、固定電話からの通話が出来なかった。しかし2002年秋、総務省からIP電話に「050」で始まる11桁の番号が割り当てられ、通話可能と成った。この、050はNTT系列?方式で、別方式のNTT電話番号がそのまま使える「番号ポータビリティ方式」、YBBフォン?や一部のCATVがこの方式。
 IP電話にも欠点は有る。音質面やコンピュータウイルスなどによる回線の混乱が懸念される。これらも、技術革新によって改善され、今後益々固定電話からIP電話、IP電話からIP電話への利用が増えそうです。

 例として、YBBフォンに2002年12月に加入の知人は、050番は無いがISP同士の通話は、NTT番号を使い無料。これは、番号ポータビリティ方式採用?のためか。しかし、2002年秋に総務省から050番の割り当てを受けている。...どの様に使うのか?。050も使える両面作戦か?。孫社長は、いろいろ考えが有るようです。
 他の例は、知人が2003年1月、So-netフォン“お試しキャンペーン”で加入。0503410****の11桁の番号が付与された。この050に続く4桁数字は、事業者識別コード。しかし、固定電話からIP050電話への着信は、2003年夏以降の様です。これは、NTT交換機局の交換機などが、IP電話の電話番号を認識する改修工事が未完了のためです。
 この様に業界内でも違いが有り、小生もわからない点が多い。また、IP電話が接続不良の場合は、一般回線に切換自動でマイラインに接続するようです。長話をして、マイライン会社から多額の請求を受け!!?。So-netフォンの例では、ダイヤルすると呼び出し音が鳴る前に、以下の識別音がする。“無音:IP同士で無料”、“プー音:IP電話から一般電話へ”、“プープー音:有料電話(104、117など)”。また、固定電話からIP電話にかける場合の固定側料金や、違うISP間の050番号への通話(IP to IP)に対する通話料金など現在未定で、通話が可能と成る頃には、はっきりするでしょう。
 我が家では、ADSL不適合地(電話局から4〜5Km)のため、インターネットは、プライベートIPのCATVに加入している。2年前に無料のIP電話“ただTEL”に加入しました。当初は、グローバルIPのみの対応でしたが、昨年よりプライベートIPでも通話可能と成り、プライベートIPのパソコンから、USB接続のヘッドフォンマイクを使い、固定電話や携帯電話へ通話しています。
 利用当初は通話音声が遅れたり、途切れることが有りましたが、最近は音声データを優先的に送る技術の開発などで改善され、多少違和感は有りますが、まあまあの音声品質です。
 加入当時は、無料通話時間がバナー広告を見ることで、毎日5分ほど取得出来ましたが、最近は加入者の増加と共に?、日に1分と無料のメリットも少なく成りました。(商品の購入やアンケートに参加することで、無料時間が増える仕組み)。
 <参考>PC環境は、サウンドカードが全二重タイプで相互に通話でき、“サウンドレコーダー”での録音・再生可能で再生音量が十分なこと。また、ウイルスバスターやインターネットセキュリティと言った、ファイアウォールソフトをインストールしている場合は、セキュリティレベルの無効か設定を低く(中・低)する必要がある。
 下記URL:ただTEL
  http://www.tadatel.co.jp/
 この様にIP電話は、パソコンから固定電話機に通話する方式、パソコンからパソコンへ、電話機から電話機(パソコンが不必要な家庭も可能)の方式が有ります。中でも電話機から電話機にかける方式は、従来の電話機にアダプタを取り付けるだけで手軽に使えるので、企業や家庭にも広がりつつ有る
[例:IPTalk(アイピートーク社)など<<注-1(最下部参照)>>]。

 たとえば、IP電話を申し込むと通話音声をパケットデータに変換する
VoIP<<注-2(最下部参照)>>アダプタがレンタルなどで渡される。常時接続ADSLなどの回線工事終了後に、これを電話機に接続すればIP電話が使える様になる。ISP各社が続々とIP電話に参入している今日、益々加入しやすく成ります。
 また、現在は固定電話からブロードバンドの利用ですが、第三世代の携帯電話による通信速度の向上で、モバイル環境でIP電話を利用する事が2003年中に出来るでしょう?。
 下記URL:各社別IP電話仕様一覧
  http://www.iptalk.net/about/hikakuhyou.htm

 先日、東武東上線川越駅で、YBB/BBフォン12Mbps“モデム持ち帰り2ヶ月お試しキャンペーン”をやっていました。損益分岐点と言われる加入者200万人獲得に向けて、強力な営業活動をしている様です。
 BBフォンに興味が有り、我が家にADSLを導入した場合の速度を測定してみました。
 結果 上り:448 kbps 下り:784 kbps と速度が出ずNGです。
 やはり、CATVのIP電話導入計画を待つしかない様です。
 下記URL:住所別Yahoo!BBスピード測定
  http://ybbcustomer.bbtec.net/ybb/SpeedYahoo/portspeed.jsp

 <参考>先日こんな記事が目にとまりました。
 『 “NTTコムのIP電話システムを使うISPが14社に!”
 NTTコミュニケーションズ(OCN)は、2003年1月29日から他の4社と共にIP電話の相互接続実証実験を始めるとともに,同社のIP電話基盤ネットワークを使うISPが14社にのぼることを明らかにした。
 29日から実験を開始するのは,同社に加えて,So-netのソニーコミュニケーションネットワーク,@niftyのニフティ,BIGLOBEのNEC,Panasonic hi-hoの松下電器産業。  IP電話サービスは、2002年12月20日から順次,試験サービスを始めている。この段階では,1つのISP内での試験サービスだったが,1月29日からは他のISPにも通話ができるようになる。この場合通話料は無料で2月28日まで実証実験を行い,そのあと商用サービスとして提供する予定。提供サービス名は,OCNでは「OCN .Phone」,So-netでは「So-netフォン」,@niftyでは「@niftyフォン」,BIGLOBEでは「NTTコミュニケーションズ IP-Phone for BIGLOBE」,Panasonic hi-hoでは「hi-hoでんわ-C」と呼ぶ。 この5社以外で,NTTコミュニケーションズのIP電話基盤ネットワークを用いて,IP電話サービスを提供することを明らかにしているISPは次の通り(かっこ内はサービス名)。
 朝日ネット(ASAHIネット)
 NTTデータ三洋システム(旧三洋電機ソフトウエア,SANNET)
 ザ・トーカイ(TOKAIネットワーククラブ)
 ゼロ(ゼロサービス)
 デオデオ(デオデオエンジョイネット)
 トーカイ・ブロードバンド・コミュニケーションズ(T-com)
 ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)
 ドリームネット(DreamNet)
 日本ユニシス情報システム(U-netSURF)
 フリービット(ReSET.JP)
 これら、NTTコミュニケーションズを初めとする,IP電話サービス提供会社によるISPの取り込みが、益々激しさを増している様です。』

<<注-1>>.“IPTalk(アイピートーク社)”
IPTalk社は、三菱電機の特許を生かした、世界最先端HCAP方式“ホームページのHTTPを使い接続する方式”を採用。常時接続ブロードバンド環境(ADSL、CATV、FTTH)さえ有れば、ISPや回線の種類に縛られない格安通話が可能。PC不要で全国1,000万人ブロードバンドユーザーが「IP Talkアダプタ」を電話に接続すれば無料!。固定電話へ全国一律8円/3分。
また、2003年秋には、HCAP方式のタダ携帯電話「モバイルIP Talk」を発売予定。これは、プライベートIPやIPが変化しても端末固有のID番号でフォローし、無線LAN、PHSなどモバイル環境に最適。料金は、端末同士、携帯・固定・国内・海外すべて無料!?。技術の進歩にただただ!!です。
下記URL:アイピートーク社
  http://www.iptalk.net/

<<注-2>>.“VoIP(Voice over IP )”
IPネットワーク上で音声通話を実現する技術。電話網のインフラをデータネットワークと統合することで、LAN同士をデータ通信網で結び通信コストを下げる。
 現在では、H.323と呼ばれる通信規約が標準仕様として採用。H.323は音声、ビデオ、データなどのマルチメディア通信を行なうための規格。これら標準化作業の影響もあり、昨年からVoIP機能を搭載したルータや交換機などが数多く出荷されている。
また、企業内での内線電話としての利用だけでなく、CATV網での広域VoIPの試験サービスも各地で始まっている。

記:山下 岩男(2003-01-31)