遊休パソコンの活用

 川柳に「三年前 買ったパソコン もう引退」と言われる様に、買い換えサイクルが短い。現在古いPCを何となく廃棄出来ずに持っている人も多いと思う。 先に[お役立ち情報]“PC性能の違いと通信速度への影響”で投稿しました遊休パソコンが、今でも十分活用出来ることがわかり、何とかしようと考えた内容を紹介します。

 背景には、ダイヤルアップ接続インターネットは速度が遅く、より良い環境を目指して、パソコンの高性能化をしてきました。
 しかし、常時接続高速化時代に入り、我が家で加入する常時接続CATVインターネットも、今年8月から下り8Mbpsに成りました。現役PC:SONY VAIO(PentiumV866MHz。メモリ512MB。Win2000ProSP3。IE6.0SP1)の実質速度5〜6Mbpsと環境が向上しました。そこで7年前に購入した遊休PCNEC:PC-9821をテストしたところ、実質速度2〜3Mbpsと十分使用に耐えることがわかり、今回少し改良することにしました。
 改良は、起動HDD(ハードディスクドライブ)の容量が少なく、騒音が大きいため交換します(HDD投資1万円)。

PC-9821Xa7/C4“現状仕様
CPU:AMD K6-2/350MHz。メモリ:96MB。2次キャッシュ:256KB。HDD容量A:\1.6GB。HDD_B:\2.1GB。(Win3.1当時のPentium75MHz。メモリ8MB。PCをシステムUp)。

.改良内容
1-1.起動HDD_A:1.6GBを仕様Max 容量の4.3GBに交換。
1-2.HDD_B:2.1GB現有品を使う(Max4.3GBまで可)。
1-3.OS:Win98SE(IE5.0 → 5.5SP2にUp)。

2.起動HDD_Aの仕様
2-1.アイ・オー・データ社UHDI-4.3GHL/98(OEM_SAMSUNG SV2042)購入。
2-2.回転数:5,400rpm。平均シークタイム:8.9ms。

3.OSの再インストール...<*1.手順別記>。

4.インストール後、起動するのにかかる時間をテスト。
・画面プロパティ設定:HighColor(16ビット).1024×768。
4-1.Win98SEインストール後:1分36秒。
4-2.IE5.5SP2にUp後:1分11秒。
4-3.オフィス2000:1分30秒。

5.インストール後(703MB)初のデフラグに要した時間:65分。
注)1.なぜか、Win98SEのIE5.0からIE5.5SP2にUpすると起動時間が早く成る。
注)2.オフィス2000のオフィスショートカットバーをディスクトップに表示(これを自動起動すると遅く成る)。
注)3.B:\にー太郎10とATOK13をインストール。辞書はATOK使用。
注)4.HDDの騒音はほとんど無く、全体的に少し早く成った。

 活用に当たって、VAIOで用いているアンチウイルスソフトのウイルスバスター2003は、PC-9821系に対応していない様です。従って、メールソフトはジャストシステム社の“シュリケン”を使うことにしました。今後、対応したアンチウイルスソフトを探したいと思います。


<*1.手順別記>“再インストールの簡単方法”
・この方法は、自己流なので他に良い方式が有るかも知れません。
1.HDDを交換する前に、Win98のFD起動ディスクと(*2)5個のファイルを別FDにコピー(*3)して用意する。
2.起動HDDUHDI-4.3GHL/98をマスタに設定して交換。
3.Win98のFD起動ディスクでPCを起動し、HDDのDISKINIT〜FORMATする。
3-1.DISKINIT:新規HDDの固定デスク#1物理フォーマット。
3-2.FDISK:A:アクティブ.BOOT 可。B:アクティブ.BOOT 不可。
3-3.再起動(A:\から自動起動可能に設定する)。
3-4.FORMAT:A:\>FORMAT C: /U /S 。
3-5.CDドライブ(Q:\)を認識させるファイル(*2)5個をFORMATしたHDD(C:\)にコピー(B:\>COPY CONFIG.SYS C:)する。
4.HDDから再起動(A:\に成る)。
4-1.MS-DOS画面で Q:\>SETUP.EXE → Win98:OSインストール開始。
5.CONFIG.SYS 内容を一行remに変更(*4)。
6.Win98SEのインストール。
7.CPUアクセラレータのシステムユーティリティソフトをインストール。
8.B:\ 現状の2.1GBをFORMAT。
8-1.Win98SE起動しWindowsでFORMAT。
但し、B:\を新規に増設したの場合は、A:\Windows>DISKINIT、FDISK、FORMATを要す。

(*2)5個のファイル
*2-1.HIMEM.SYS。MSCDEX.EXE。NECCD.SYS。CONFIG.SYS。AUTOEXEC.BAT。
*2-2.CONFIG.SYS の内容。
DEVICE=A:\HIMEM.SYS
LASTDRIVE=Z
DEVICE=A:\NECCD.SYS /D:CD_101
*2-3.AUTOEXEC.BATの内容。
A:\MSCDEX /D:CD_101 /L:Q
CD \

(*3)FDにコピーする方法
*3-1.起動FDにA:\Windows\Command フォルダからFORMAT.COMをコピー。
*3-2.別のFDにCONFIG.SYS、AUTOEXEC.BAT作成してコピー。HIMEM.SYSをA:\Windowsフォルダからコピー。MSCDEX.EXEをA:\Windows\Command フォルダからコピー。NECCD.SYSをA:\Windows\Command \Ebdフォルダからコピー。

(*4)Win98インストール後、CONFIG.SYS の内容を一行remに変更。
device=A:\WINDOWS\himem.sys
device=A:\WINDOWS\EMM386.EXE RAM
devicehigh=A:\WINDOWS\kkcfunc.sys
devicehigh=A:\WINDOWS\hrtimer.sys
rem DEVICE=A:\NECCD.SYS /D:CD_101

<Q&A>
Q1:どうしてWindowsSEを最初からインストールしないのですか?。
A1:手持ちのOSは、Win95、98、98SEの全てがアップグレード版のCD-ROMです。
理由は、Win98SEのCD-ROM版にはSetup.exeが無いため、先にSetup.exeの有るWin98アップグレード版をインストールします。その際に、当然アップグレード版の確認でWin95のCD-ROMも必要です。
また、当時のPC98は、マザーボードがCD-ROMドライブを認識出来ない仕様のため、“(*2)5個のファイル”の作業が必要に成ります。

Q2:CONFIG.SYS の一行をremに変更するのは?。
A2:REMは、書かれた行のコマンドを無効にします。従って、この行は削除してもOKです。REMの理由は、Windows98をインストールすると、OSがCDドライブを認識するのでCONFIG.SYSでの実行は不要に成ります。

Q3:OEM_サムスン社HDDの取付可能な他のPC機種が有りますか?。
A3:下記のURLを参照下さい。
・(株)アイ・オー・データ機器のURL。
    http://www.iodata.co.jp/index.htm
・PC-9821シリーズに対応した内蔵型HDDのURL。
    http://www.iodata.co.jp/products/hdd-scsi/uhdighl98.htm

<< 追記 >>
最初にHDDを交換して、電源ONで「システムが有りません」と表示されれば、接続はOKです。...(その後、Win98FD起動ディスクでPCを起動)。

記:山下 岩男(2002-11-05)