北海道2週間単独ツーリング報告書

 1. まえがき
 今年4月に会社を定年退職してから、ようやく気力も高まってきたのでかねてからの夢だった北海道単独ツーリングを決行することにした。 ツーリング用バイクとして5年前に購入したBMWのGS1100Rでの初めての本格ツーリングである。
 定年退職して時間的には余裕があるので今回のツーリングはきっちりとした計画は立てず、天候、体調、興味がわいたもの、等、で自在に計画を変更できるようにした。  妻から万一のために旅行保険に入ってゆくよう依頼されたので保険期間の2週間以内に帰宅することが唯一の制限事項である。
 ツーリングの費用は出来るだけ抑えたい、多くのツーリング仲間と出会いを持ちたいため、宿泊は"とほ宿"を主体にした。

 2. ルートと宿泊地
 事前の大まかなルートはバイク用の北海道地図"ツーリングマップル"を使って設定した。まず東北道を青森まで走り、フェリーで函館へ。大沼公園、長万部、ニセコ、小樽、小樽からは西海岸沿いを北上し、稚内へ、宗谷岬、サロマ湖、網走、ウトロ、ウトロで知床岬の観光船に乗る。知床5湖、カムイワッカの滝、知床峠、羅臼、標津、摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖、層雲峡、富良野、富良野では2日位かけてゆっくりと丘陵地を見て回る。 札幌、洞爺湖、函館、函館でも2日位かけてゆっくりと観光と新鮮な海の幸を楽しむ。フェリーで青森に、それから東北のどこかで1泊して高速道で帰る。 宿の予約は前の晩に翌日の宿を予約することにした。
 このように非常にラフな計画で出発した。

 3. 実際に走ったルート
 2週間にわたって疲労の持ち越しも無く、食欲も落ちず体調はほぼ完全だった。そのため1日あたりの走行距離が伸び、事前の計画よりも700km位余計に走ることが出来た。
 また、根室、釧路間でタイヤトラブルが発生したうえ、天候も霧、雨が3日位つづいたので思いもよらず乗馬を楽しむことが出来た。 
 詳細なルート情報、宿情報に興味のある方はここをクリックして見て下さい

 4. 北海道の魅力
 北海道の魅力は色々あって一口で言い表すのは少々難しいが、まず、広大な土地、緑豊かな自然、その中をゆったりとした気分でツーリングを楽しめること、食べ物が美味しいこと、温泉があちこちにあって低料金で楽しめること、土地の人の気持ちの優しさ、色々なタイプの宿泊施設が自由に選択できリッチな人はそれなりに、生憎お金が少ない人もそれなりに夜を楽しむことが出来ること、等々、あげられると思う。
 また、乗馬、カヌー、パラセイリング、等のスポーツも関東に比べたら相当低価格で楽しむことが出来る。

 5. ソロツーリングの魅力
 ソロツーリングの魅力はなんと言ってもその自由さにある。休憩したい、もっと走り続けたい、こんな食べ物を食べてみたい、こんな宿に泊まってみたい、ここはゆっくり走りたい、ルートを変えたい、寄り道したい、等々、全て自分で決められる。
 ただし、バイクトラブル、自分の健康状態、修理道具を含めた携帯品、等は全て自分の責任で処理できることが大前提になる。

 6. "とほ宿"の魅力
 今回のツーリングで大いに利用した"とほ宿"とは、男女別相部屋のシステムで夕、朝食付で一泊5000円〜6000円で泊まることが出来き、ライダには大変利用しやすい宿である。 食事は全員食卓について一緒に食べる。食事中や、食後の談話の中で道路情報や、宿情報など、有用な情報が入手できるのもライダにとって大変ありがたいことである。 宿の主人、お上さんも、もともと旅が大好きで始めた商売なので、我々ツーリング仲間や、旅行者の気持ちを良く理解してくれている。 自然食に興味を持っている人が多く、自分で野菜や、果物、ジャム、等を作ったり、鶏を自然な環境で育ててその卵を食事に使ったりしている。 いつも素性のわからない米、野菜、果物を食べている我々にとっては彼等の食に対する考え方を聞くことは非常に参考になる。
    "とほ宿"に興味のある方は下記を参照してください。
       http://www.toho.net/frame.htm

 7. 北海道の道路事情
 北海道の道路は札幌や函館といった大都市を除けば、交通量も少なく非常に走りやすい。今回走ったルートでも道路は立派過ぎるのでは(?)と思えるところが非常に多い。産業の無さを道路を作ることで対処してきたことが見え見えだ。 私は見なかったが、中標津の近くの畑の中を走っていると突然立派な立体交差が現れてびっくりするそうである。例の宗男さんの功績である。
 晴れた日でもトンネルの中の路面が濡れているところが多かった。しかもトンネルが曲がっているのでトンネルに入るときには手前で十分速度を落とすことが肝要だ。ブレーキをかけて思わず転倒なんてことのないよう注意したい。
 スピード取締りは本州よりも厳しいといううわさである。オービスを持ったパトカーが道路の脇に隠れていてスピードチェックをしているのを数回見た。真直ぐな道路でパトカーに止められている乗用車を見て、バックミラーでチェックしていなかったのかと疑問に思っていたが、納得した。
 高速有料道路が一部出来てはいるが、よほど急いでいる時しか利用しないのではないか?一般道路が空いていて時速80km位で走れるのだから。

 8. おわりに
 2週間のバイクソロツーリングは今回が始めてであったが、普段、1日1万歩のウォーキングをしていたおかげで体力、気力が充実していて非常に楽しむことが出来た。 年齢60歳ではあるがまだまだやれるという自信がついた。 これからも長距離ツーリングにチャレンジしてゆきたい、出来れば海外もチャレンジしてみたいと思う。
 今回のツーリングで多くの人とめぐり合え、ご馳走してもらったり、助けてもらったり、良い話を聞かせてもらったりした。 次回は私が相手の人にそのようなことをしてあげたい。

7/19am銭函のとほ宿の主人、関西からのライダーと
7/20 宗谷岬にて

7/21 知床岬観光船にて

7/24 コッタロ湿原にて

7/25 オンネトー後方は雌阿寒岳 :左、阿寒富士:右 7/25 双湖台にて

7/26 層雲峡双瀑台から 銀河の滝
7/27 富良野の丘陵地帯

7/28am 札幌のとほ宿にて
7/28 長万部から駒ケ岳を望む
7/28 洞爺湖

7/30 八幡平

記:丸山 磐男(2002-08-30)