心の故郷「宮島」の紹介

 先日30年前に亡くなった父母の墓参りのため広島へ行く。墓参りもこれが最後という気持であった。小中学校の時、毎年遠足で行った「宮島」にも、これが最後という気持で行ってきた。

 広島の町は大きく変わったが、「宮島」はほとんど変わらないことがうれしい。 「宮島」は私にとって心の故郷である。 「宮島」に行ったことのある人は多いと思うが、 「宮島」の本当のよさがわかった方は少ないと思う。 ここでは、「宮島」に行ったらぜひという観光情報をまとめてみた。

 「宮島」の表看板は厳島神社と大鳥居であるが、出来たら海が満潮の時に行きたい。 海の中に建つ朱色の神社は美しく映える。 他に例がない独特のものである。
 訪れた4月16日は桃花祭の行事として厳島神社の海に張り出した能舞台で神能が行われていた。実際に能を見ることははじめての体験であった。鼓の澄んだ音が心地よい。

 次に訪れたいところは弥山(ミセン:529m)である。登山道は3つあるが、大聖院コースは山頂まで石段になっている。ゆっくり歩いて山頂まで1時間半である。山頂付近まで能舞台からの鼓の音が聞こえてきた。なかなか風情のある山歩きであった。もっと楽に弥山に登りたいという方にはロープウエイがある。ロープウエイ終点からゆっくり30分歩けば弥山山頂に行ける。

 弥山山頂には茶店があり冷えたビールがうまい。3階の展望台からは,”これが瀬戸内海だ!”と言わんばかりの美しい島々が360度展望出来る。 山頂展望台でシャンソンやフランス映画で聞くような美しいフランス語が聞こえてくる。先月欧州旅行に行った奥さんが「フランス語は美しいわね」という。話をしている学生風の若いペアのフランス人観光客に話かける。

 もちろん日本語で。2週間の予定で日本観光にきたとのこと、フランス人は他国語を話さないと聞いていたが、片言の日本語を話してくれる。昼食はロープウエイ乗り場のある紅葉谷公園の屋台で紅葉を見ながら食べる。紅葉の1番美しいのは11月上旬であるが新緑も結構美しい。ここでは”カキの殻焼”をぜひ食べたい。

 ”あなご飯(ウナ重にそっくりの味)”もうまい。 次は、五重塔のそばにある千畳閣に行きたい。 豊臣秀吉が作らせたものであるが、サッカー場の半分位はありそうな広さと天井の高さに驚く。 しかも木造建築である。 秀吉の死後、工事がストップしたままになっているというのも面白い。 内装工事が未完の建物であるが、入場料100円で内部を歩いて秀吉の心意気に触れてみる価値がある。

記:大澤 敏夫(2001-4-24)