パソコンによる視力低下防止対策

 私のここ1〜2年のパソコン関連の懸念事項が1つある。 それは、デスクトップパソコンのCRT(Cathode ray tube)ディスプレイを1日4〜5時間見ていると、視力が落ちてくることである。 特に、会社で、CRTディスプレイのパソコンを使用した1996年末から1999年にかけて保護用シールドを使用していなかったため、1.0以上あった視力が片方の眼は0.6まで低下した。液晶ディスプレイが眼にやさしいことはわかっているが、なかなか購入に踏み切れない。自宅のパソコンは山と花の美しい画像を見るためにCRTディスプレイを使用している。先日、パソコンショップに行き液晶デスプレイを見くらべた。10万円位の液晶ディスプレイでも画像の質がいまいちのため購入の決心がつかない。

 保護用シールドの使用も眼が疲れる度に1枚から2枚と追加し、今は3枚重ねて使用している。さずがに3枚になると眼の疲れはほとんどないが画面が暗くなる。 ディスプレイの取扱説明書を取り出し、画面の明るさを最大にし、コントラストを上げて対応している。眼の視力低下を考えると少し位の暗さは我慢して使用している。

 もう1つの対策は、画面が見にくいときは、解像度を通常使っている“1024×768ピクセル”⇒“800×600ピクセル”に変更して使用している。画面が拡大され見やすく、眼が楽になる。

 創50社史でお世話になった2人のプロに対策を聞いてみた。

 今城 明司氏(鈴鹿製作所)
 「視力が落ちてくること、この問題はみんな持っていることでして、通常のディスプレイでは、やはりみんな視力が落ちて仕方ないようです。最近液晶ディスプレイも相当安くなってきましたので、そちらの使用をお薦めします。眼の疲れが、相当違いますよ♪♪
 ただ、CG(Computer Graphics)等の作成時だけは通常のディスプレイの方が色の再現性で相当いいので、僕はそちらを使っています。」

 若松 巌氏(ホンダ外から協力戴いたプロ)
 「画面のリフレッシュレート(注:垂直走査周波数のこと、ディスプレイの取扱説明書に調整法が記載)はどのくらいに設定されていますでしょうか。ディスプレイは、人間の眼にとまらぬほどの速さで画面を書き換えることで画面表示しているのですが、毎秒70回(70Hz)を下回ると、人間の眼にもちらつきとして感じられ、眼の疲れ、視力低下の原因となりやすいです。(意識的に画面のちらつきに気がつかなくても、眼は疲れやすくなります)リフレッシュレートの設定を確認してみてください。60Hzなどになっていれば、70Hz以上に設定してみてください。画面解像度によっては、対応していないリフレッシュレートもあります。(画面の解像度が高くなるほど、最高リフレッシュレートは下がってきます)ちなみに液晶ディスプレイは、ブラウン管と違って画面の1ドット毎に対応した液晶が点灯するだけなので、画面のちらつきがほとんど起こりません。そのため、眼に優しいとされるのでしょう。ディスプレイと付き合う上で気をつけねばならないのは、ドライアイ。涙の分泌量が減少し、眼が乾燥しやすくなる病気です。眼が乾燥すると、眼が疲れやすくなったり、角膜が損傷しやすくなり視力の低下を加速してしまいます。対策としては、作業に熱中しすぎて画面を凝視していると、まばたきをする回数が減ってきてしまうので、もしそういう状況になったら意識的にまばたきをすること。また、ディスプレイを置く高さは、自分の眼の高さよりも低くなるようにする、などです。(下を見るより上を見るときの方が空気に触れる眼の表面積が大きくなり、眼が乾燥しやすくなる→ドライアイになりやすくなるため) ちなみに、私は軽度のドライアイです。」

記:大澤 敏夫(2001-1-4)